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ブランディング
経営インタビュー(3)
07
周辺地域との
関わり方について
- 筒井:
- そもそも別府のホテル業で成功されていて、「周辺地域と共存したい」と考えているオーナーさんが日出に進出したわけですが、観光課へあいさつに回られたり協力を仰ぐということもなさいましたか。
- 宇佐:
-
それはもちろんです。そして、日出町観光課の方はすごく親切ですね。以前に「宿泊予約が入ったグループの大型バスを停められる駐車場をどこか紹介してくれませんか」と問い合わせたところ、すぐに、町が所有する土地で停められるところがないか、いろいろと調べてくださいました。広報などの掲載情報も提供してくださいます。
別府は街自体がすごくブランド化されているので、日出の親切さとはまた違う、という感じですね。こちら(日出町)の方がやはり、温かい対応をしてくれます。 - 筒井:
- fico HIJIでは「地域に開かれたホテルづくりを形成したい」という話を伺っていますが、どんなことを計画されていますか。
- 宇佐:
- 設備的にはレストランが完成した段階ですが、まずは地域の方や日出町の人に向けたサービスであったり、ゆくゆくは、昼間に飲食店として解放したりだとかができれば、と思っていますね。私も最近はここ(ミーティングルーム)でずっと仕事をしているのですが、ゆっくり仕事ができてやりやすいですね。
- 筒井:
- レストランもシェアオフィスのような雰囲気と様相がありますし、とてもいいですよね。
08
運営面での取りくみ
- 筒井:
- 運営面についてですが「クレームがあった時に、細かいニーズにすぐ対応する」とお聞きしています。これについてエピソードがあれば教えてください。
- 宇佐:
-
あるお客様から、「国道側の部屋は車の音がします。自分だけが気になるのかもしれないので、気になるような神経質な方はお気をつけください」という口コミレビューをいただきました。また、別のお客様からも同じような投稿があり、その後に「国道側の部屋はやめてほしい」といった問い合わせが結構な頻度で入ったので、すぐに国道側の部屋全部を2重サッシにしました。
この周辺は夜8時以降になると車なんてほとんど通らない(笑)のですが、気になる人は気になるのでしょうね。そのようなお客様の声には、なるべく早く対応するようにしています。この口コミはとても長いレビューでしてね。「それで部屋を変えてくれました」ということで最終的には5くらいの評価をいただいていました。 - 筒井:
- それでも、稼働が見えていない段階で追加投資にはなかなか踏み切れないもの。数字的なものをあえて無視して、お客様の満足度を上げるために取り組む、というのは、別府第一ホテルで培った文化のようなものがあるのですか。
- 宇佐:
-
そうですね、やらないことで失う部分の方が大きいと判断しました。全部やりかえるには、結構お金がかかって大変だったのですが。国道に面していない部屋へ優先的に予約を案内するのが実際に難しかったですし。
口コミやレビュー1つ1つをきちんと読んでお客様は来てくださっているので。同じように感じるお客様(のレビュー)が続くのであれば、将来的に見ても窓をやり替えた方が良いと思ったのです。
09
今後の多店舗展開について
- 筒井:
- 今後の構想はありますか?
- 宇佐:
-
日出での営業歴が浅いのでこれからではありますが、しっかりと力を蓄えていきたいです。人口10万人以下の都市は自分が実際に「ホテルが少なくて不便だな」と感じたところや、もっと宿泊施設があったら良いのではないかと思うエリアはリストアップしています。人口が少ない街にはリーズナブルでキレイな宿泊特化型ホテルがなかなかないのです。人口や産業がなければ商売が成り立たない可能性があります。
実は先日知人が、人口3万ぐらいのある街のホテルに泊まった時に、タオルの追加をお願いしたら怒られたんです(笑)。その施設のやり方もありますし経営者が高齢の場合、その宿泊施設を否定する気はありません。しかしそれを普通にしてたら大変な事になりますよね。双方の言い分はありますが怒られたらいい気はしません。あそこのホテルのサービスが悪いとすぐ広まります。なので小規模の都市でもお客様の求めるサービスを提供でき、かつ運営が成り立つ事が確認できれば考えたいと思います。まだまだこれからではありますが頑張ります。
我々はありがたい事に数多くのアワードをいただいています。そのサービスをもっと多くの方に知っていただきい。泊まりたいところにいい宿があれば旅の選択肢が広がります。またその街の良さを広めるのも我々の使命だと思います。大変ですが頑張ります。
- 筒井:
- 金融機関の反応はどうですか?
- 宇佐:
- 金融機関の方には親身になって話を聞いてくださるし、別府の方での実績もあるので良い条件で提示もしていただいています。
- 筒井:
- 先ほど、デザインのタッチポイントの話がありましたね。お金のかけどころではなくて、「ここはすごく丁寧に作った」「ここを見てほしい」といった強弱はあったのですか。
- 松本:
- 細かい製作物で、私たち(デザイン側)に一番近いところは基本的には全部です。 宇佐さんが「これが欲しい」と言われるものは、すべてがお客様目線で考えられていて、ここ最近では環境に配慮するポイントの表現などもあって、すごく良いなと思いました。そのようなニーズに宇佐さんはいつもキャッチされているので、デザイン側での優劣や上下というのはそれほどないですね。
- 筒井:
- 今日は日出のホテル経営について、これまでの経緯や基本的な理念、それに基づいたデザイン・Web製作サイドとの連携、また共同作業部分の作り込みについて話を伺いました。皆さん、ありがとうございました。