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ブランディング
経営インタビュー(1)
ホテルという事業軸に、デザイン、Webの要素が掛け合わさることによって生まれる経営効果や成果、
そして今後の展望についてじっくりとお話を伺いました。
01
ホテル再建への背景
- 筒井:
- ホテル支配人とデザイナー、そしてWeb制作会社という異色メンバーでの対談ですが、どうぞよろしくお願いします。今回、宇佐さんはこちらの日出のホテルをリニューアルされたわけですけれども、もともとは「ホテルアルバ」さんという名称でしたね。購入当時は赤字経営だったのですか?
- 宇佐:
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赤字というよりは、半ば営業していないような状態でした。
前オーナーがおひとりで運営されていたので、需要があっても取り込むだけの営業のキャパがなかったのでしょう。 - 筒井:
- ではなぜ、そのようなホテルを購入し経営しようと思ったのですか。
- 宇佐:
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ホテルにきてオーナーさんとの雑談含め話を聞いていく中で、運営が上手く行かない原因がわかり、ここを改善すれば行けると感じたからです。
一番大きいのがその当時はWeb露出が0で、楽天やじゃらんなどのポータルサイトにも掲載されていませんでした。実際に宿泊した人の口コミをGoogleマイビジネスで投稿確認すると、5段階評価の平均2前後という結果でした。また以前から人口10万以下のホテル経営も興味がありやってみたいとの気持ちがありました。その規模の町には、私が考える快適に宿泊できるホテルはない事が多いからです。
02
インバウンド市場ではなく
なぜ地方の日出町を狙ったのか
- 筒井:
- コロナ禍になる前、別府はそれこそインバウンドでたくさんの外国人観光客の方が入ってきていましたが、日出町はインバウンド市場ではありませんよね。なぜ、インバウンド需要のないエリアを選んだのでしょうか。
- 宇佐:
-
私の経営スタイルはインバウンドのイメージが強いでしょうし、実際にインバウンドでも数字を上げてきました。記憶では2012年頃から個人の受け入れを開始しました。まだ世間がインバウンドで騒ぎだす前ですね。
ただ、特化したわけでもありませんでした。国内のお客様と同じようにどんどん改善を重ね品質を上げ、レビューを上げ次につなげるその循環を作っただけです。
日出町は、実際の商圏として杵築や国東も想定できますし、別府のように毎日大勢のお客様は来ないにしても、ぽつぽつと来るのではないかと考えていました。実店舗を使って、いろいろと試みたいと思ってはいます。
03
旧ホテル「アルバ」とのヒストリー
- 筒井:
- そもそもが、日出という場所に目をつけていたということですか?
- 宇佐:
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いえ、売却物件に出ていたので、建物を見て「やってみようか」という感じでしたね。物件を初めて見に来たのは2019年8月でした。オーナーさんにコンタクトを取って、お会いして、ホテルが建った背景から営業の実績などをいろいろと話を伺いました。その時点で3~4社ほどの競合(購入希望)がいましたね。
いろいろなタイミングが重なって、最終的には私が落札しました。2019年12月末に購入することになったのです。 - 筒井:
- 「ホテルを売却したかった」ということは、前オーナーさんは経営をお辞めになる予定でいらしたのでしょうか。
- 宇佐:
- ご年齢のこともあったでしょうし後継者の方もいなかったのと。ほぼすべて1人でやっていましたから。難しかったと思います。そこで、基本的なことをやればどのくらいの実績を出せるかやってみようと思ったのです。
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▲ 旧ホテル「アルバ」の客室
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▲ リニューアル後の「ホテルfico HIJI」の客室